高齢者約900人を対象にした厚生労働省研究班の調査で、胃ろうを増設した後、
外せるほどに回復したのは生存者の6.5%だそうです。
胃ろうや中心静脈栄養等の人工栄養について、高齢者の終末期のあり方に、医師も患者とその家族も選択に揺れています。
そして私たち介護・福祉の専門職も悩み、迷っています。
経口摂取が可能になった利用者さんで、「ええっ!胃ろうの時があったんだ・・・」と介護職員が驚くほどの利用者さんがアクセスにも何人かいらっしゃいました。
食べることが大好きで、自宅ではお刺身も焼肉も
回復して「口から食べる」前提での人工栄養ですが、元気になれるかどうかは医師でさえ正直わからないことです。
単なる延命にしかすぎないのかどうかで、選択に揺らぐのです。
先日、大田区のある医療連携懇親会で病院と介護支援専門員との顔合わせがありました。
在宅医療連携室の医師の挨拶で、「患者の最善の利益を追求する」という基本方針が紹介されました。
医師も私たち専門職も「法的責任を問われる」不安を抱えています。
解決策は、生死と向き合う患者(利用者)と家族とのコミュニケーションを大切にすることです。
訪問看護の看護師からの報告でも、「心は常に揺れ動くので、何度も何度も意思を確認するようにしています。」
人生の最後の時間について、時間を惜しまず、最善の利益について一緒に考える専門職の意識改革が目指されてきている足音を感じます。