この仕事を始めた頃、いろんな所へ行き、いろんな人と会い、市場のリサーチをしていました。福祉でこの人!と言われる方を紹介されてある人を訪ねた時のことです。
今思えば、閉鎖した小さなクリニックを改装した建物だったのでしょうか。その中で、大きな机に一人のご老人と向き合って折り紙をされていました。
何を会話するわけでもなく、かといって全く会話がないわけでもなく、ご老人といやいや向き合っているわけでもなく、かといって楽しんでいる訳でもなく、静かにただひたすら時の流れるままにその空間が「無」になっていて、何とも不思議な光景でした。
事業を始めようとしている私の脳裏に、これが福祉の第一人者と言われた人の姿なんだと・・・強烈な無言のメッセージを受け止めた時のことを時折思い出します。
走りながら考えようと、走り続けてきて、ふとまた迷い始めている最近の自分が正直なところです。
何年か前に味わった、抜け出せない長いトンネルの時とは別です。
自分の進むべき道は見失ってはいません。
自分を信じる気持ちも同じです。
ただ、傷つけなくても済むものであれば・・・という指導者としての宿命なり、覚悟がまだまだ甘いといえばいいのでしょうか。企業戦士を卒業したはずの自分が、また同じ繰り返しをしている事からの逃げなのでしょうか。
自分を貫き通せない自分との葛藤です。
で、私が無償の愛を注げるこの子たちに癒されることにしました